09.27.09:13
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12.12.22:56
人間
少し空想的な話をすると、きっと人は生を受ける際に「生を受けたいか」と神に問われただろう。
知ってか知らずか、私は「はい」と答えたから今ここに居るのだ。
私は彼女に問うた。
「なぜ私は生まれたのか。」彼女は誰かと共に生きるためと答えた。
馬鹿らしい。誰かのために私は生まれたというのか。
そうやってお前も誰かを自分のために共に歩ませるんだ、と彼女は口元をつり上げ言った。
お前は悪魔か。悔しさで彼女に暴言を吐くと、そんな大きな力は持ちえていないと彼女は真顔で言った。
ならばお前は魔女かと問うと、魔術なんて到底使えないと答えた。
鬼め、畜生め、何を言っても彼女は当てはまらないという。
では、お前は何だ。
彼女は高らかに笑った。人間だ、と。
『人間』
(text 服部 YU里江)
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